こんにちは。タロットファン.jp 井上です。
先日、お店にお越しになられたお客様に、タロットカードの種類について、どれを選んだらいいのか相談されたました。
私は福島県の会津若松市で、ヒーリング雑貨のお店を運営しており、タロットカードやオラクルカードなどの、占い用のカードを販売しています。
お店に来るお客様は、比較的、タロット初心者の方が多く、マルセイユ版やウエイト版など様々な種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまうようです。
会社ではネットショップも運営していますが、逆にそちらには、タロット占いのプロの方や、オラクルカードのコレクターの方が多く利用してくださいます。
今回は、お店に来られるお客様のように、初めてタロットカードを購入する方が、どんな種類を選べば良いのか、カードの選び方について、ポイントを解説していきたいと思います。
タロットカードを選ぶお客様が迷うこと
初めてタロットカードを手にするお客様は、みなさん同じような点で迷ってしまうものです。
ですからまず最初に、そんなお客様からの質問をいくつか紹介するので、まずは自分にも当てはまらないかチェックしてみてください。
種類の多さに迷う方
やはり最も多いのは、タロットカードのデザインと種類の多さに迷う方です。
特にこちらの店舗では、多種多様なデザインのタロットカードを扱っているので、最初はだれもがそのデザインの多様さに驚きます。
こちらの「キュートでかわいい猫のタロットカード人気のおすすめ3選」で紹介しているような、猫をモチーフにしたタロットだけでも3種類あるぐらいです。
どれも個性に溢れた、とても素敵なデザインのものばかりですが、逆にあまりにも選択肢が多いと、タロット初心者の方は迷いやすくなるのでしょう。
ですからこの記事では、タロットカードの基本的な種類について、後ほど詳しく解説します。
■店舗で販売しているタロットカードは種類も多彩です。
タロットのサイズで迷う
さらにはデザインの違いだけではなく、タロットカードの中にはサイズが異なる物も何種類かあります。
もちろん基本となるのはスタンダードサイズ(120×66 [mm])ですが、それ以外に少し大きめのものや、ポケットに収まるものなど多種多様です。
手に余る物から、手の中に納まるものまで、絵柄は同じでも驚くほどの大きさの違いがあるので、初めてならなおさら迷ってしまいます。
ですから、タロットカードを選ぶときには、カードのサイズについてもチェックしましょう。
■スタンダードサイズはこれぐらいの大きさです。
カードの価格や質で迷う
そしてこれは当然ですが、タロットカードにも色々な価格帯のものがあり、やはりみなさん価格でも迷います。
ただ総じて言えることは、価格が安価なものはやはり質感もそれなりです。逆に高価なものは、肌触りもよく質感もシッカリしています。
ですから1つの目安として、どんな種類の絵柄でもスタンダードサイズなら、3,000円~4,000円ぐらいを目安にしていただくと良いでしょう。
それ以下ですと、中国で作られたとても安価なものや、よく見るとサイズが小さかったり、大アルカナ22枚だけのセットなどがありますから要注意です。
■ミニタロットカードはとても小さいので価格も安価です。
初心者も知っておきたいタロットカードの2大種類
なお、以前にもこちらの「【重要】タロットカード初心者に知って欲しい<種類、構成、歴史>」では、タロットカード初心者のために、カードの歴史や種類、構成、について詳しく述べています。
カードが誕生する歴史を見れば、それぞれのカードへの思いも沸いてきますので、カードを選ぶ前にご一読いただくとよいでしょう。
世界で利用される2大タロットカード
ではまずは、現在世界中で利用されているタロットカードには、大きく2種類があることからお話しましょう。
1つは、18世紀のフランス革命の頃に、印刷技術の発達などにより、フランスのマルセイユ地方で大量生産された、マルセイユ版のタロットカードです。
これは現在のタロットカードの基軸ともいえるタロットカードで、大アルカナ22枚と小アルカナ56枚で構成され、主にカード占い用として利用されました。
そしてもう一種類は、1908年にロンドンのライダー社で発売された、ウェイト版のタロットカードです。
日本では、このウェイト版のタロットカードのデザインが、タロット占いと言えば誰もが連想する定番の絵柄だといえます。
ウェイト版のタロットカードは、当初イギリスのライダー社で発売されたことから、ライダー版とも言われることが在ります。基本的には同じカードを指しています。
■こちらの動画ではウェイト版の違いを簡単に紹介します。
典型的なマルセイユ版
マルセイユ版のタロットカードは、こちらの「タロット・オブ・マルセイユ」が、大量生産されていた当時のデザインを復刻したものです。
当時のマルセイユ版のカードは、背面が白色で統一されており、とてもカラフルな色使いで作られているのが特徴です。
当時は木版印刷だったために、デザインもどこか角ばったような、木版らしい独特のものとなっています。
色使いや絵柄も、どこかフランスならではの独特なセンスが、反映されているように思います。
■元祖マルセイユ版のデザインのタロットカード
マルセイユ版タロットカードとは
最近では、「ユニバーサル・タロット・オブ・マルセイユ」のように、背景に色を付け、さらに高級感を増した種類も発売されています。
カードの図柄や色使いは、18世紀に生産されていた様式を、そのまま引き継いでおり、典型的なマルセイユ版のタロットカードと言えるでしょう。
なお現在では、「カモワンタロット」で有名なカモワン社のみが、18世紀から現存する、唯一のカード会社となっています。
マルセイユ版タロット(マルセイユばんタロット、仏:Tarot de Marseille)は、16世紀から18世紀頃のヨーロッパで、大量生産されていたカードの絵柄の総称。またはその絵柄を踏襲したタロットカードの名称。「マルセイユ版」「マルセイユ系」などと略される。
Wikpedia引用:マルセイユ版タロット
■マルセイユ版のタロットカード
左から順に、タロット・オブ・マルセイユ、ユニバーサル・タロット・オブ・マルセイユ、カモワンタロット
世界的に人気のウェイト版
そしてもう一種類は、ウェイト版のタロットカードです。
アメリカ出身の文筆家であり、神秘学者のアーサー・エドワード・ウェイトが、「黄金の夜明け団」の解釈をもとに、画家のパメラ・コールマン・スミスに描かせたタロットカードです。
カードの構成は、基本的にはマルセイユ版と同じですが、大アルカナの8番と11番が入れ替わっています。
神秘主義を取り入れた独特の絵柄は、世界中の多くの人の魅了し、一躍タロットカードの人気デッキとなりました。
特に日本国内では、このウェイト版のデッキの人気がずば抜けており、タロットカードの代名詞のように思われています。
■人気のウェイト版のタロットカードRWS
ウェイト版のタロットカードとは
ウェイト版のタロットカードも、従来のパメラ・コールマン・スミスが描いたものと、現代風にアレンジされた種類(ユニバーサル・タロット)が発売されています。
カードが作られるまでの歴史や経緯は、こちらの「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」に詳しく解説いしていますので、よろしければそちらをご覧ください。
ここでは簡単に、Wikipediaの情報だけを紹介しておきます。
ウェイト版タロット(ウェイトばんタロット、Rider Waite Tarot)とは、アーサー・エドワード・ウェイトが「黄金の夜明け団」の解釈に基づいてデザインし、パメラ・コールマン・スミスに描かせたタロットの通称。1909年にロンドンのライダー社から発売されたことから、ライダー版とも呼ばれる。
アール・ヌーヴォー調の親しみやすい絵柄で大ブームとなる。以後、イギリスでタロットと言えば、ほとんどこれを指すほどになった。Wikipedia引用:ウェイト版タロット
■ウェイト版のタロットカード
左から順に、パメラ・コールマン・スミスRWS、ユニバーサル・タロット、ゴールデン・ユニバーサル・タロット
タロットカードの絵柄や種類について
現在のタロットカードの原型は、16世紀に北イタリアで生まれましたが、その当時は1枚1枚を画家が手書きしていたために、構成も統一されていませんでした。
ですが大量生産されたマルセイユ版の登場により、カード構成は大アルカナ22枚と小アルカナ56枚に統一されていきます。
大アルカナと小アルカナの種類や絵柄ついては、こちらの「タロットカード大アルカナ22枚の意味と解釈のポイントを一覧で紹介」と「タロットカード小アルカナの意味一覧<ワンド、コイン、ソ―ド、カップ>」をご覧ください。ウェイト版のタロットカードを参考に詳しく解説しています。
世界中で人気のカード
その後、マルセイユ版のカード構成をそのままに、絵柄が異なる種類が次々と登場しては、消えていく歴史を辿りました。
その中でも特に人気が出たのが、ウェイト版タロットカードだと言えるでしょう。
ですから世界中で、様々な絵柄のタロットカードが流通していますが、基本的には、先に紹介したマルセイユ版のタロットカードと構成は同じです。
そしてそれらのカードは、「マルセイユ版のタロットカード」と分類され、アーサー・エドワード・ウェイトが作ったウェイト版のタロットカードと、同じ構成のものを「ウェイト版のタロットカード」と言うのです。
■左:伝統的なマルセイユ版、右:ウェイト版
マルセイユ版とウエイト版の絵柄の違い
現在でもマルセイユ版のカードは、様々な絵柄の物が販売されており、カードの枚数などの構成は同じものの、本当に色々な種類のものがあります。
それぞれのカードデッキが独自のテーマを持っており、ネコ、吸血鬼、アールヌーボ、魔法使い、妖精などなど、そのテーマに基づいてデザインが統一されており、雰囲気もそれぞれ全く違います。
それに比べウェイト版のカードは、独自のテーマを取り入れず、パメラが描いた元祖のウェイト版タロットカードの絵柄を、そのまま踏襲して多少アレンジする程度です。
ですから、ウェイト版タロットいえば、どのデッキも似たような絵柄となり、マルセイユ版というと、多種多様なデザインのものが存在しているのです。
■多様なマルセイユ版のカード
左から順に、ハーモニアス・タロット、マルセイユ・キャット・タロット、タロット・アールヌーボー
絵柄をもとにカードを選ぶ時の注意点
あえて絵柄をもとにタロットカードを選ぶ時の注意点を上げておくなら、そのカードがマルセイユ版のものか、ウェイト版のものなのか、記載があるかチェックしましょう。
この「マルセイユ版」か「ウェイト版」の記載が無いタロットカードで、カードの総数が78枚でない物は、後ほど紹介する、特殊なカード構成のタロットカードである可能性があります。
基本的にこの点だけをシッカリと確認すれば、誤って特殊なカードを選んでしまうことは無いのでしょう。
どのような種類のタロットカードでも、カード構成さえ違わなければ、多少絵柄が独特であても、カードの意味は変わりません。
特殊なタロットカードの種類
ただ、そんなタロットカードの2つの種類から、大きく外れているカードも存在します。
それは全く新しい占い用のカードとして作られたもので、カード構成も異なる特殊なタロットカードです。
ここでご注意いただきたいのは、これらのカードはこれまで紹介して来た一般的なタロットカードとは、使い方が異なる場合があることです。
ですからタロットカード初心者が、初めて使うカードを選ぶなら、こちらの種類は避けたほうが無難です。
大アルカナの構成も異なるトートタロット
ウェイト版タロットカードは、ほとんどマルセイユ版とカード構成は同じですが、そんなカード構成とは大きく異なるカードに「トートタロット」があります。
このカードは、アーサー・エドワード・ウェイトと同じ「黄金の夜明け団」に所属していた、イギリス生まれのオカルティスト(神秘学者)、アレイスター・クロウリーが出版した「トートの書」をもとに、作られたカードです。
アレイスター・クロウリーは、その独特な風貌と世界観から、「世界でもっとも邪悪な男」と評された人物で、彼の没後にタロットカードが作られえるという、曰くつきのタロットカードです。
一般的なタロットカードとはかなり異なるので、興味のある方はこちらの「トートタロットカード初心者のための解説書<特徴、意味、歴史>」をご覧ください。トートタロットについて初心者でも解り易くまとめています。
■トートタロット&解説書
トートタロットセット
易を取り入れたイーチンタロット
そしてカードという形式を利用して、中国の「易経」の模様を書き込んで作ったのが、「イーチンタロットカード」です。
もともとイーチンタロットは、何種類かの絵柄のものが出回っていました。ですが現在はこちらの「I CHING(イーチン)」といタロットカードが、主流となっているようです。
一般的なタロットカードとは異なり、易に使われる64卦(枚)のカードで構成されており、易の知識が無いと利用することが出来ません。
ですから、こちらも興味のある方は、こちらの「初めてのイーチンタロット占い!カードの意味や種類と占い方を徹底解説」をご覧ください。イーチンタロットカードについて、詳しく解説しています。
■イーチンタロット&解説書
イーチンタロットセット
注意が必要な日本製のタロットカード
そして近年発売されている、日本製のタロットカードの中にも、このマルセイユ版やウェイト版とは異なるカード構成の物が、数多く存在します。
例えば「生命の樹占術カード」こちらは、旧約聖書の古代ユダヤの秘図とされる「生命の樹」から、インスピレーションを受けて作られたカードで、小アルカナが無く、全く別な10種類のカードが含まれているものです。
また、「エンジェルタロットカード」のカードは、オラクルカードから考案された、全く異なる占い用のカードです。
タロットカードと表記されていても、オリジナルのスピリチュアルな思想の元に、様々な種類のデッキ(カードセット)が存在するのです。
初心者のためのタロットカードの選び方
それでは最後に、多種多様なタロットカードの中から、自分に合うものを選ぶ方法について、簡単に触れておきましょう。
自分の直感を信じて選ぶ方法
まず私が個人的に一番おすすめするのは、タロットカードのパッケージを見て、自分の直感で選ぶことです。
基本はマルセイユ版のものや、ウェイト版のカードの中から選ぶ方が、本格的なタロット占いを習得する上では役立つでしょう。
ですが、先に紹介した特殊なタロットカードでも、自分が手にしてみたいと感じるものを、まずは利用してみると良いと思います。
もちろん、その時には解説書が無ければ、使い方を学ぶのは難しいでしょうが、それさえあれば、さほど心配する必要はありません。
ですから、タロット占いと同様に、タロットカードも自分の直感に従て選ぶのがベストです。
タロットカードを選ぶの迷ったら
そしてもし、初めてタロットカードを手にするときに、どれを使えばいいのか迷ったなら、こちらのパメラ・コールマン・スミスのウェイト版のカードを選択すると良いでしょう。
理由はいたって簡単です。これが最もメジャーなタロットカードであり、ほとんどのタロット占い解説本は、このウェイト版のタロットカードを利用して、書かれているからです。
パメラが描いたウェイト版のタロットカードは、絵柄も大胆でインパクトが強いため、どうしても怖いと感じる女性が多いようです。
ですからそんな時には、ウェイト版に拘らず、気に入ったマルセイユ版のカードを利用すれば、安心して占いを楽しむことがことが出来るでしょう。
どちらにせよ、カードそれぞれの意味は同じですから、タロット占い初心者の方でも、解説書を見ながら占えば特に問題ありません。
通販でタロットカードを購入するなら
初心者のためのタロットカードの種類と選び方については、以上で終了となります。
その上で、1つだけ追記しておくと、タロットカードを通販などで購入する際には、こちらの「初心者がタロットカードを通販で購入する際のおすすめと3つの注意点」をご覧ください。
と言いますのも、こちらの「タロットカードを店舗や通販で購入できる販売店「My Earth」を紹介」でもお伝えしていますが、お店なら初心者の方でも、実物のカードを手にして、色々と店員さんに相談できると思います。
ですが、通販だとそんな訳にも行かないので、届いてから失敗したと感じることがないように、通販でタロットカードを購入する際の、注意点もまとめておきました。
なお、絶対カード選びで失敗したくないという方は、こちらの「初心者に人気のタロットカードマスターセットを詳しく解説」をご覧ください。初心者向けにすべてを揃えたセットを紹介しています。