こんにちは。タロットファン.jp 大竹です。
今回は、ビクトリアン調の美しい絵柄が人気の、ハーモニアス・タロットをご紹介します。
とても綺麗なタロットなのですが、「知る人ぞ知るタロット」という所があるので、より多くの人に知ってもらえるように特集にしてみました。
ハーモニアスの持つ世界観が伝わるよう、たくさんの写真をメインに解説していきますので、絵本のような美しいタロットカードの世界をじっくりお楽しみください。
ハーモニアス・タロットと作者の紹介
それではまず最初に、ハーモニアス・タロットとはどのようなカードか、基本的な情報から解説していきます。
ハーモニアス・タロットとは
ハーモニアス・タロットは、イギリスの芸術家である「Walter Crane-ウォルター・クレイン」のイラストに、スピリチュアルやロマンスの要素を加えて作られました。
このハーモニアス・タロットは、一般的なマルセイユ版のタロットカードとなりますが、小アルカナにも美しい挿絵が描かれているのが特徴的です。
ウォルター・クレインは、絵本の挿絵なども手掛けていたアーティストで、このハーモニアスタロットも、どこか絵本のような独特の雰囲気があります。
ヴィクトリアン調の優雅さのあるデザインは、細部まで繊細に描かれており、優しい色彩がとても美しいタロットカードです。
Walter Crane-ウォルター・クレイン
ハーモニアスタロットのイラストを描いたウォルター・クレイン(Walter Crane)は、19世紀後半から20世紀にかけて活躍したイギリスの芸術家です。
多くの本の挿絵を手掛けたことが有名ですが、絵画やイラストだけでなく、ステンドグラスや陶器、壁紙や織物など、様々なデザインを手掛けました。
また、代表的な作品となった『カエルの王子さま』(1874年)から始まるシリーズは、画面構成や平塗りなど、日本の浮世絵の影響も受けていたようです。
彼は社会主義活動に参加することで、芸術を一般社会まで浸透させようと取り組み、自身が設立したアーツ・アンド・クラフツ展示協会のために精力的に活動しました。
Wikipedia引用:ウォルター・クレインと代表作の「カエルの王子さま」
22枚の大アルカナカードの写真
それでは早速、ハーモニアスタロットカードをご紹介していきます。まずは22枚の大アルカナカードの写真から。
大アルカナ0~10の解説
ハーモニアスタロットは、絵柄の描写がとても細かいです。
そんなに細かく書くの!?と思うくらい細部まで描かれ、色合いの優しさも相まって、とても美しいタロットカードとなっています。
※ハーモニアス・タロットカードの大アルカナ 左上から0~10
◆繊細で美しい「3:女帝」のカード
女帝のカードは、ハーモニアスの中でも特に細かく描かれています。女帝や天使もそうですが、植物の描写がすごく細かいです。
※ハーモニアス・タロットカードの大アルカナ 3番の女帝のカード
大アルカナ11~21の解説
それぞれの大アルカナカードの持つ意味や象徴を取り入れている感じもありますが、オリジナリティのある絵柄のカードも多い印象です。
ちょっと見にくいかもしれませんが、15=悪魔のカードでは、悪魔らしき存在が猫に乗ってますよ。
※ハーモニアス・タロットカードの大アルカナ 左上から11~21
◆マルセイユ版の「11:力」のカード
ハーモニアスタロットはマルセイユ版なので、8番=正義、11番=力のカードになっています。
騎士がドラゴンを倒している図柄が描かれていて、とても勇ましいですね。
※ハーモニアス・タロットカードの大アルカナ 11番の力のカード
56枚の小アルカナカードの写真
続いては56枚の小アルカナカードです。小アルカナは、カップ、ワンド、ペンタクル、ソードのそれぞれのスートごとに写真を載せていきます。
小アルカナ<カップ:聖杯>の解説
◆カップの1~10
伝統的なマルセイユタロットカードでは、小アルカナの数札には人物は描かれていませんが、ハーモニアスタロットでは、全てのカードの絵柄に人物が描かれています。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ 左上からカップの1~10
◆カップのペイジ・ナイト・クイーン・キング
カップの絵札では、それぞれ持っているカップのデザインが違いますね。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ カップの絵札
小アルカナ<ワンド:棒>の解説
◆ワンドの1~10
ハーモニアスらしい美しい絵柄で、オリジナリティのあるデザインですが、どことなくライダーウェイトタロットに似ている部分があります。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ 左上からワンドの1~10
◆ワンドのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ ワンドの絵札
小アルカナ<ペンタクル:金貨>の解説
◆ペンタクルの1~10
多くのタロットカードでは、ペンタクルのカードで描かれる金貨の絵柄は統一されていますが、ハーモニアスタロットでは、金貨のデザインが3種類描かれているのが特徴的です。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ 左上からペンタクルの1~10
◆ペンタクルのペイジ・ナイト・クイーン・キング
ハーモニアスタロットは馬まで美しい衣装を着ていますね。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ ペンタクルの絵札
小アルカナ<ソード:剣>の解説
◆ソードの1~10
パッと見ただけでソードの3に描かれた赤いハートに目が行きますね。ハートに3本の剣が突き刺さっている絵柄は、ライダーウェイトタロットでも描かれているデザインです。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ 左上からソードの1~10
◆ソードのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ ソードの絵札
定番のタロットカードとの絵柄の比較
ハーモニアスタロットカードの何枚かを、定番のタロット・オブ・マルセイユやライダーウェイトタロットの写真と比較してみます。
それぞれどんな違いがあるか、見比べてみてください。
大アルカナの絵柄の比較
大アルカナは、伝統的なマルセイユ版タロットカードの絵柄で描かれている「タロット・オブ・マルセイユ」と比較してみます。
◆大アルカナ 0=愚者
愚者のカードは結構似ていますね。細かい部分はいろいろ違いますが、崖に立つ人物という図柄は同じです。
※0=愚者のカードの比較 左:タロットオブマルセイユ 右:ハーモニアスタロット
◆大アルカナ 2=女教皇
このカードはパッと見では分かりにくいですが、美しい花や佇まいを見ていると、女教皇の持つ「神秘性」や「穏やかさ」という意味や、受動的な雰囲気も感じられます。
※2=女教皇のカードの比較 左:タロットオブマルセイユ 右:ハーモニアス・タロット
◆大アルカナ 21=世界
世界のカードは、中央の女性や四隅の天使や獅子などもしっかり描かれていて、絵柄は違っても構成はほとんど同じですよね。
※21=世界のカードの比較 左:タロットオブマルセイユ 右:ハーモニアスタロット
小アルカナの絵柄の比較
◎ライダーウェイトタロットカードとの比較
「ライダーウェイトタロット」と比べてみると、ぱっと見では全然似ていませんが、よく見ると、ところどころ似ている部分があるのが分かると思います。
※ハーモニアス・タロットカードの小アルカナ 左上からワンドの1~10
※ライダーウェイト・タロットカードの小アルカナ 左上からワンドの1~10
◎伝統的なマルセイユ版タロットカードとの比較
伝統的な絵柄の「タロット・オブ・マルセイユ」では、このようにカップだけが描かれています。同じマルセイユ版でも、雰囲気が全然違っていますね。
伝統的でシンプルな絵柄も美しいですが、アーティスティックなハーモニアスも違った美しさと魅力があります。
※ハーモニアス・タロットの小アルカナ 左上からカップの1~10
※タロット・オブ・マルセイユの小アルカナ 左上からカップの1~10
ハーモニアス・タロットを実際に使った感想
ここからは、実際のタロット占いにハーモニアス・タロットカードを使う上で、意味や解釈の読み取りやすさなど、個人的に感じたことを紹介します。
実際のカードの使いやすさは?
ハーモニアス・タロットを実際に見たときの最初の印象としては、絵柄から何のカードか判断しにくいかもしれないと感じました。
ですから、タロット占いが全くの初心者という方よりは、あるていど経験されている人の方が向いているかと思います。
ただ、自由度の高いマルセイユ版の中には、もっと分かりにくいタロットもたくさんあるので、それに比べれば、まだこのハーモニアスは扱いやすい方でしょう。
カードに番号が書いてありますし、使っているとどれが何のカードかちゃんと分かるので、慣れるのにさほど時間はかかりません。
占いに使ってみた感想
あくまで個人的な感想ですが、マルセイユタロットのように、色や絵柄のハッキリとした力強い印象のカードは、結果もハッキリと感じ取れる気がします。
ですがハーモニアスは、絵の雰囲気と同じように、結果もどこか穏やかに感じられるようです。
タロットは怖いという人もいますが、ハーモニアスタロットでは、怖いというより神秘的な印象を受けます。
美しい絵本を読んでいるような、ちょっと独特の空気感があるカードなので、ゆっくり、じっくりと向かい合って行きたいような、そんなタロットカードです。
・正式名称:HARMONIOUS TAROT
・カード仕様:マルセイユ版
・カード構成:大アルカナ22枚/小アルカナ56枚
・カードサイズ:120×66 [mm]