こんにちは。タロットファン.jp 大竹です。
タロットの起源には諸説あり、特にヨーロッパが発祥であると言う説が多いのですが、中にはエジプトが発祥だという説もあります。
今回は、そんなエジプトをテーマにしたタロットカード、「エジプシャン・タロット」について特集してみました。
まるでエジプトの壁画のような絵柄は、数あるタロットデッキの中でも、独特の雰囲気を持ち、コアな人気のあるカードです。
そんなエジプシャン・タロットについて、写真を載せながら紹介していきますので、古代エジプト文明に惹かれる方は、じっくりとご覧ください。
※3種類のエジプト神話系タロットカードから選べるエジプシャンセットです。
エジプシャン・タロットとは?

まずはエジプシャン・タロットというのがどんなタロットカードなのか、テーマや著者について簡単にまとめていきます。
神秘的なエジプト美術の美しいタロットカード
エジプシャン・タロットは、イタリア出身のアーティスト、Silvana Alasia-シルヴァーナ・アラシアによって手掛けられたタロットデッキです。
アラシアは古代エジプトやエトルリア人、インド、マヤ文明など様々な芸術文化に精通し、多くの作品を手掛けてきました。
そんなアラシアによって、古代エジプトのパピルス絵画をモチーフにデザインされたのが、このエジプシャン・タロットです。
カードのところどころにヒエログリフ(古代エジプト文字)が書かれていたり、エジプトの神話や、エジプト美術の神秘的な象徴が取り入れられているのが特徴的です。
Silvana Alasia-シルヴァーナ・アラシアとは
1963年イタリア・トリノ出身のアーティストです。
幼いころから芸術を学び、数々の作品で賞を受賞し、後にトリノ芸術振興協会にも参加しています。
彼女の芸術活動は幅広く、絵画や広告クリエイティブ、子供向けの多くの本の作成だけでなく、写真家としても活動してきました。
今でも世界中の様々な芸術文化に触れ、多くの技法を学び、常に芸術を追求し続けています。
カードの仕様をチェック

続いてエジプシャン・タロットのカードの仕様についても、簡単にまとめていきます。
マルセイユ版かウェイト版か
エジプシャン・タロットは、8番=正義、11番=力なので、マルセイユ版で構成されています。
11番=力のカードは、獅子が描かれているので分かりやすいですね。
ただ、8番=正義のカードにも獅子が描かれているので、最初はちょっと戸惑いました。
でもよく見ると、左手に天秤を持っており、右手には剣をもっているので、1度分かってしまえば後は大丈夫でしょう。
※エジプシャン・タロットカード 8番=正義、11番=力のカード
カードの用紙について
ときどき、エジプシャンタロットのカードの材質について、質問をいただくことがあります。
パピルス紙に描かれた絵が、カードのデザインになっているので、パピルスのような材質かと思われることがあるようですね。
ですが、こちらは厚みも手触りも、一般的なタロットカードと同じ紙で作られています。
部分的に材質が違ったり、張り合わせているわけでもなく、1枚の紙にパピルスの絵がプリントされているデザインです。
ですから、引っ掛かることもなく、スムーズにシャッフルすることができます。
エジプシャン・タロットの裏面デザイン
大アルカナの紹介の前に、裏面のデザインを紹介しておきますね。裏面には、上下対象にホルス神をモデルにしたような鳥が上下対象に描かれています。
ぱっと見た感じでは正位置・逆位置が分からないデザインに見えますが、よく見ると背景のヒエログリフ(古代エジプト文字)は上下対象になっていません。
ですから、あえて意識して見ようとすると、正位置・逆位置が分かるデザインになっています。
ただ、しっかり見なければ分からないので、タロット占いでは、ほとんど気にならないレベルといえるでしょう。
※エジプシャン・タロットカード 裏面のデザイン
22枚の大アルカナを写真で紹介

それではここからは、エジプシャン・タロットを写真でご紹介していきます。まずは22枚の大アルカナを一気に見ていきましょう。
大アルカナ0~10の解説
大アルカナの0~10のカードを並べて見てみると、まさに古代エジプトという感じですね。
描かれている人物が横を向いている事が多いのも、壁画のようで見ていて楽しいですし、ほとんどのカードにヒエログリフが書かれているので、それを地道に解読してみるのも面白そうです。
1番最初のカード、0番=愚者のカードを見てみると、ナイルを渡る旅人とワニが描かれているのが印象的です。
「エジプトはナイルのたまもの」という言葉があるように、エジプトの壮大な文明・国家が築かれたのは、ナイル川が運ぶ肥沃な土のおかげと言われていますし、ワニは増水時に現れる事から豊穣や永遠を司る神や神の使者として崇められていました。
そんなナイル川とワニが最初の1枚のカードに描かれているのを見ると、まさにエジプト文明の始まりを表現しているように感じます。
※エジプシャン・タロットカードの大アルカナ 左上から順に向かって0~10
大アルカナ11~21の解説
12番の吊るされた男のカードを見ると、人が吊られているのではなく、人が牛を吊るしていますね。
古代エジプトでは、牛肉を食べることはあまり無かったそうなので、神々への供物として捧げている姿を描いているのでしょうか。15番の悪魔のカードは、悪魔ではなく何故かドラゴンが描かれています。
また、16番の棟のカードでは、棟ではなくピラミッドが描かれていますが、これはまさにエジプトがテーマのタロットならではですね。
こんなふうにエジプシャン・タロットでは、カードの中にエジプトらしさが溢れているので、じっくり見ていくととても面白いです。
なお、一般的な大アルカナの意味は、こちらの「タロットカード大アルカナ22枚の意味と解釈のポイントを一覧で紹介」で紹介しています。
※エジプシャン・タロットカードの大アルカナ 左上から順に11~21
※3種類のエジプト神話系タロットカードから選べるエジプシャンセットです。
56枚の小アルカナを写真で紹介

次は小アルカナの写真を紹介していきます。小アルカナは全部で56枚と、枚数が多いのでスートごとに紹介していきます。
小アルカナ:カップ(聖杯)
エジプシャンタロットで描かれているカップは、幅広で大きいので、カップというより皿のようにも見えます。
エジプトでも愛されていた、トルコ石(ターコイズ)のような色合いですね。
◆カップの1~10
1~10の数札では、人物の姿は描かれず、カップの数が一つずつ増えていますが、これは基本的なマルセイユ版タロットの構成と同じです。
スートの象徴の数、例えばカップのカードならカップが何個書かれているかで、カップの何番のカードかが分かるようになっています。
こうして10枚並べて見ると、5番のカードのホルスの目がすごく目立っていますね。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左上から順にカップの1~10
◆カップのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左からカップのペイジ・ナイト・クイーン・キング
小アルカナ:ワンド(棒)
オーソドックスなタロットでは、ワンドは木の棒が描かれることが多いのですが、エジプシャンでは杖が描かれています。
握りの部分がカギ型に曲がった杖は、ヘカと呼ばれ上エジプトの王権を象徴するものです。
◆ワンドの1~10
エースのカードでは、杖の後ろにホルス神を思わせる、凛々しい鳥の姿が描かれています。
また、ところどころに、繁栄のシンボルであるスカラベ(フンコロガシ)や、冥界の神アヌビスなど、様々な象徴が取り入れられているのが見て取れますね。
それぞれの象徴とカードの意味を照らし合わせながら、1枚1枚じっくり解読していくのも面白そうです。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左上から順にワンドの1~10
◆ワンドのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左からワンドのペイジ・ナイト・クイーン・キング
小アルカナ:ペンタクル(金貨)
タロットでいうペンタクルは、コインや金貨として描かれますが、エジプシャンでは、太陽のように描かれているのが特徴的です。
これは、太陽を神として崇めていたエジプトならではのデザインと言えるでしょう。
◆ペンタクルの1~10
エースのカードでは、太陽から無数の光が手のように伸びてきて、大地に恵みを与えてくれるという、太陽神アテンの姿をしています。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左上から順にペンタクルの1~10
◆ペンタクルのペイジ・ナイト・クイーン・キング
キングのカードも、エースと同じように、太陽神アテンが描かれているのですが、この絵の構成はアテンとファラオの壁画がモデルになっているように見えます。
キング以外の絵札でも、金貨ではなく頭上で輝く太陽のように描かれていますね。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左からペンタクルのペイジ・ナイト・クイーン・キング
◇太陽神アテンの画
※Wikipedia引用:アテンを崇拝するファラオアメンホテプ4世と彼の家族
小アルカナ:ソード(剣)
ソードのカードでは、ヨーロッパの騎士が持つような剣ではなく、短剣が描かれています。
ツタンカーメン王の短剣が隕石で出来ていた、と話題になったことがありましたが、その短剣にそっくりな形をしています。
◆ソードの1~10
6番のカードには船に乗る人物がいますが、エジプシャンタロットで船が描かれているのは、このカードだけです。
ちなみにソードの6のカードは、正位置では「危険からの脱出」や「現状の移行」という意味があるので、まさに今、移りゆくところだと表現しているようにも受け取れますね。
また、9番のカードには「大いなる導きヒヒ」と呼ばれる、ヒヒの姿をしたトート神の姿もあったりと、様々な象徴が取り入れられています。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左上から順にソードの1~10
◆ソードのペイジ・ナイト・クイーン・キング
エジプシャン・タロットはマルセイユ版なので、小アルカナの数札がトランプのようですが、小アルカナを使ってタロット占いをする際には、ウェイト版の意味を参考にしてください。
参考までに、小アルカナの詳しい意味は、こちらの「タロットカード小アルカナの意味一覧<ワンド、ペンタクル、ソ―ド、カップ>」で紹介しています。
※エジプシャン・タロットカードの小アルカナ 左からソードのペイジ・ナイト・クイーン・キング
エジプシャン・タロットを使ってみて

最後に、私が実際にエジプシャン・タロットを使って、タロット占いをしてみた感想をまとめていきます。
タロット占いをしてみた感想
カードを一通り見た印象では、占いの結果を読み取るのが、ちょっと難しそうな気がしたので、試しにタロット占いをしてみました。
私が使った感じでは、思ったよりは分かるけど、ちょっと独特と言うか、慣れが必要そうな感じです。どれが何のカードか分かりにくい物があるので、それを覚えるまでは少し手間取るかもしれません。
また、エジプトの壁画風のため、ほとんどの人物が横向きで表情がないので、絵のイメージから受ける印象が、他のタロットとは違ってきます。ですが、そこがこのカードの良いところでもあります。
独特の世界観を持っているので、エジプト史を読み解くようなイメージで、じっくり向き合っていくのに最適なタロットカードです。
・正式名称:EGYPTIAN TAROT
・カード仕様:マルセイユ版
・カード構成:大アルカナ22枚/小アルカナ56枚
・カードサイズ:120×66 [mm]
【おまけ】サイズ違いのエジプシャンタロット
今回ご紹介したエジプシャン・タロットは、120×66 [mm]のスタンダードなサイズですが、145×80[mm]のグランデサイズもあります。
グランデサイズはカードが大きい分、イラストの細かい部分が見やすいですが、シャッフルする時にちょっと場所を取るので、広いスペースがあるほうが使いやすいかなと思います。
1つ注意して欲しいポイントは、グランデサイズは小アルカナがなく、22枚の大アルカナだけのカードデッキという点です。
そのため、小アルカナを使わないで、大アルカナだけでタロット占いをする人におすすめです。

・正式名称:EGYPTIAN TAROT -GRAND TRUMPS-
・カード仕様:マルセイユ版
・カード構成:大アルカナ22枚
・カードサイズ:145×80 [mm]
撮影に使ったタロットクロスの紹介
ちなみに今回の撮影で使っていたクロスは、鮮やかな赤に黄色の太陽の刺繍が映える、「タロットクロス・サン」を使いました。
なんとなく、エジプトと言えば太陽かな、という理由で選びましたが、一緒に使ってみたところ、エジプシャン・タロットにすごくしっくりきました。
カードと一緒に取っている写真は、ちょっと暗めの赤に見えますが、実物は熟したトマトのような明るい赤で、エネルギッシュなクロスです。
なお、タロットクロスには、数多くのデザインがあり、こちらの「タロットクロスのおすすめTOP10と通販で購入した際の使い方」でも紹介しています。

・正式名称:タロットカードクロス サン
・素材:ベルベット
・サイズ:80cm×80cm
※3種類のエジプト神話系タロットカードから選べるエジプシャンセットです。