こんにちは。タロットファン.jp 大竹です。
今回は、アールヌーボー調の美しいデザインが人気の「タロット・ミュシャ」について特集してみました。
タロットミュシャは、販売元であるロ・スカラベオ社のスタンダードなタロットカードとは、カードのサイズなど、細かな点でいくつか違いがあります。
そのあたりの仕様の違いを、スタンダードなタロットと比較しながらまとめてみたので、画像を載せながら解説していきます。
また、今回も大アルカナと小アルカナ、全てのカードの写真を載せていきますので、カード選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
タロット・ミュシャとは?
まずはタロット・ミュシャについて、作者など絵柄のデザイン的な部分の基本情報をまとめていきます。
アールヌーボー調の美しいタロット・ミュシャ
「タロット・ミュシャ」は「ゴールデン・アールヌーボー・タロット」を手掛けたイタリアのアーティスト“Giulia F. Massaglia – ジュリア・F・マッサリア”と、“Barbara Nosenzo – バーバラ・ノセンゾ”の手で、アルフォンス・ミュシャへのオマージュとしてデザインされたタロットカードです。
そのため、「タロット・ミュシャ」という名前ですが、アルフォンス・ミュシャ本人の書いた絵を使用している訳ではありません。
ですが、ミュシャへの敬意を持ってオマージュされているので、とてもミュシャらしい雰囲気を持っており、カードを見ていくと、ミュシャの作品を思わせるものも多くあります。
しなやかで優雅な曲線や、美しい女性の姿、装飾的なデザインは、まさにアールヌーボー調の美しいタロットカードです。
※タロットミュシャの大アルカナ0番=愚者
Alfons Mucha-アルフォンス・ミュシャとは
アルフォンス・ミュシャは、アールヌーボーを代表するチェコ出身の画家で、多くの絵画やイラストレーション、装飾作品を手掛けた芸術家。
曲線を生かした優雅で魅惑的な女性の姿と、植物や星、宝石などの装飾的な組み合わせを多く描いた、華麗で繊細な作風が特徴的です。
雑誌の挿絵や商業用ポスター、装飾パネルなど多くの作品を作成しており、ポスターの黄金時代を築いたとも言われています。
現在でも、ミュシャの特別展が開かれたり、美術史などで特集が組まれる事も多いので、知らずに目にしているかもしれません。
その優美な作風は、現在でも多くのアーティストに影響を与えています。
Wikipedia引用:アルフォンス・ミュシャと代表作の『黄道十二宮』
アールヌーボーとは?
アールヌーボーとは、一言でいうと19世紀末ごろのヨーロッパで興った芸術運動のことをいいます。
詳しくは、以前に書いたこちらの「おしゃれなアールヌーボータロットカードを画像付きで徹底解説【+ゴールデン】」の記事の中で解説しているので、そちらを参考にしてください。
ちなみに、Wikipediaではこんな風に解説されていました。
アール・ヌーヴォー(フランス語: Art nouveau)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動。「新しい芸術」を意味する。花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴。分野としては建築、工芸品、グラフィックデザインなど多岐にわたった。
Wikipedia引用:アール・ヌーヴォー
タロット・ミュシャのカードの特徴
続いてはタロット・ミュシャのサイズや仕様など、タロットカードとしての基本情報をまとめていきます。
アールヌーボー調のウェイト版タロット
タロット・ミュシャはウェイト版(ライダー版)なので、8番=力、11番=正義のカードです。
試しに、基本的なライダー版デザインであるRWSタロットカードと、並べて比較してみました。
細かな違いはありますが、どちらもカードの象徴的な要素(ライオンや、剣と天秤など)は同じと言えますね。
ちなみにミュシャタロットでは、大アルカナは数字のみ、小アルカナの絵札はクイーンやキングのシンボルマークだけで表現されているので、分かりにくいと感じる人もいるかもしれません。
※タロットミュシャ(左)とRWS(右)の比較 8番=力、11番=正義
オリジナル・ハードボックスがおしゃれ
初めて見た時、ちょっとびっくりしたのですが、タロット・ミュシャは、スタンダードなタロットと違って、なんだか立派な箱に入っていました。
上の蓋がパカっと外れるのも、他のタロットとは違うポイントの1つ。
オラクルカードを使ったことのある方なら分かるかと思いますが、オラクルカードのボックスと同じような、とてもしっかりとした厚手のペーパーボックスです。
※タロットミュシャのセット内容
ボックスの大きさの比較
箱の厚みも、スタンダードなRWSタロットカード(左)と比較してみました。
並べて見ると結構な違いですよね。測ってみると、RWSの箱は125×70×30mmで、ミュシャは125×83×50mmです。
縦のサイズは同じなのですが、横幅と厚みはミュシャの方があります。
※RWSタロット(左)とタロットミュシャ(右)のボックスの比較
カードのサイズや質感
カードの大きさもミュシャタロット(右)の方が少し大きいですね。
ちなみに左は、ミュシャタロットと同じ作者が手掛けたゴールデン・アールヌーボー・タロットカード(スタンダードサイズ)です。
縦はどちらも同じ120mmですが、横はゴールデンアールヌーボーが66mmで、ミュシャは70mmと少し大きめ。
質感も違っていて、ミュシャの方が、ちょっと厚みがあり、触った感じは、紙なのですがツルツルしている感じです。
※スタンダードサイズのタロット(左)とタロットミュシャ(右)のカードサイズの比較
タロットミュシャの裏面デザイン
その前に、裏面のデザインを紹介しておきますね。
裏面はボックスにも描かれている女性の姿が、アールヌーボーらしい豪華なフレームと共にデザインされています。
綺麗なのですが、正位置・逆位置が裏面だけで分かってしまうタイプなので、目を閉じてシャッフルも良いかもしれません。
※タロットミュシャの裏面
22枚の大アルカナを写真で紹介
それでは、タロット・ミュシャのカードの写真をご紹介していきます。まずは22枚の大アルカナを一気に見ていきましょう。
大アルカナ0~10の解説
では、いよいよタロットカードの写真を紹介していきます。
先にもご紹介しましたが、大アルカナは数字のみで、カードの名称は書かれていません。
ですが、どれも分かりやすい絵柄なので、多少慣れが必要かもしれませんが、とくに問題なく使えるでしょう。
※タロットミュシャの大アルカナ 左上から順に向かって0~10
大アルカナ11~21の解説
どれもアルフォンス・ミュシャらしいアールヌーボーデザインで綺麗ですが、個人的に18番の月(下の左から2番目)のカードが目を引きます。
夜空の月を背景に、正面を向いて立つ女性の姿が描かれていますね。
月のタロットは「不安や憂鬱」など、揺れ動く心理的な意味を持ったカードなのですが、確かにそんな雰囲気も感じますよね。
※タロットミュシャの大アルカナ 左上から順に11~21
56枚の小アルカナを写真で紹介
次は56枚の小アルカナの写真を紹介していきます。小アルカナは枚数が多いので、スートごとにご紹介していきますね。
小アルカナ<カップ:聖杯>の解説
小アルカナも、基本的なウェイト版タロットカードの絵柄をベースにした、アルフォンス・ミュシャ風のアールヌーボー調のデザインです。
どのカードにもカップが描かれているので、なんのスートのカードか分かりやすいですね。
ちなみに、タロット・ミュシャでは、小アルカナのスートごとに絵柄のフレームの色や模様に違いがあるんですよ。
水のエレメントを表すカップでは、水の青と森の緑の混じったような、青緑のフレームが描かれています。
◆カップの1~10
※タロットミュシャの小アルカナ 左上から順にカップの1~10
◆カップのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※タロットミュシャの小アルカナ カップの絵札
小アルカナ<ワンド:棒>の解説
ワンドは火のエレメントを表しているので、フレームも赤っぽい色で描かれています。というよりも、絵柄自体が全体的に赤茶っぽいですね。
写真では細かい部分は見えにくいかもしれませんが、人物の表情などは、まさにミュシャ風のアールヌーボーデザインで綺麗です。
そういえば、スタンダードなウェイト版タロットであるRWSタロットカードでは、小アルカナのキングはみんな玉座に腰かけている状態です。
でも、タロット・ミュシャでは、みんな玉座の前に立っているのが印象的に感じました。
◆ワンドの1~10
※タロットミュシャの小アルカナ 左上から順にワンドの1~10
◆ワンドのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※タロットミュシャの小アルカナ ワンドの絵札
小アルカナ<ペンタクル:金貨>の解説
金貨を象徴とするペンタクルは、見た目の通り金のエレメントを表しているので、フレームは黄金色です。
基本的なウェイト版タロットカードと同じで、金貨には五芒星の模様が描かれています。
ペンタクルは男性が多く描かれているので、9のカードに描かれた女性の絵が目立つ感じがします。
お金を意味するペンタクルのカードでも、やはり芸術的な雰囲気に満たされているのは、このカードならではです。
◆ペンタクルの1~10
※タロットミュシャの小アルカナ 左上から順にペンタクルの1~10
〈ペンタクルの9のカード〉
踊っているようにも見える、しなやかな女性の姿は、アルフォンスミュシャらしいアールヌーボーデザインです。
※タロットミュシャの小アルカナ ペンタクルの9
◆ペンタクルのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※タロットミュシャの小アルカナ ペンタクルの絵札
小アルカナ<ソード:剣>の解説
ソードは風のエレメントを表していて、水色のフレームで描かれています。
タロットカードの中でも、ソードは「試練」などちょっと重たいキーワードを持っているものが多いので、絵柄も悲しい感じのものが多いのが特徴的です。
それがアールヌーボーの曲線的で優雅なデザインで表現されると、よりいっそう現実的と言うか、風刺画のような雰囲気を感じます。
どこか静寂に包まれるような、そんな冷たさを感じるデザインです。
◆ソードの1~10
※タロットミュシャの小アルカナ 左上から順にソードの1~10
◆ソードのペイジ・ナイト・クイーン・キング
※タロットミュシャの小アルカナ ソードの絵札
タロット・ミュシャを使ってみて
最後に、タロット・ミュシャを実際に見て使ってみて、私が感じたことをまとめてみます。
実際にタロット・ミュシャを手にした感想
カードを見た感想は、想像していたよりも装飾がシンプルな感じだな~と思いました。
アルフォンス・ミュシャの描くアールヌーボーの厳かな世界観より、ほんのちょっとですがデザインがスッキリしている気がします。
タロット占いをするためのカードとして、ミュシャらしさとタロットの絵柄の読み取りやすさの両方を取り入れたデザイン、という感じでしょうか。
実用的な面で見ても、どれが何のカードか、パっと見で分かりますし、絵柄が詩的な事もあって、カードの持つ意味を読み取りやすい感じがします。
デザイン性はかなり高く、色彩も綺麗なので、アールヌーボーが好きな人は、1度手にしてみて欲しいカードです。
・正式名称:TAROT MUCHA
・カード仕様:ウェイト版
・カード構成:大アルカナ22枚/小アルカナ56枚
・カードサイズ:120×70 [mm]
おまけ
ちなみに、今回カードの撮影の際に使用したタロットカードクロスは、ルノルマンという、ダークレッドの記事に金色の刺繍が入った綺麗なクロスです。最近これがお気に入りで、よく使っています。
・正式名称:ルノルマン
・素材:ベルベット
・サイズ:80cm×80cm