こんにちは。タロットファン.jp です。
今回は78枚あるタロットカードの内の56枚、小アルカナの意味について解説していきたいと思います。
小アルカナを紹介しているサイトは色々とありますが、内容が多いと複雑で難解になりますし、少なければ少ないで、なかなか意味を読み取ることができません。
ですからこの記事では、可能な限りポイントを絞ってカードの要点を紹介し、初心者でも簡単に、小アルカナカードの意味を解釈出来るように、進めていきます。
■すぐに意味を知りたい方は、こちらをクリックして、戻るボタンでここに戻れば便利です。
棒(ワンド):エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
金貨(ペンタクル):エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
剣(ソード):エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
聖杯(カップ):エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
タロットカード小アルカナの構成について
こちらの記事はウェイト版タロットカード「RWSタロットカード」をもとに、タロットカードの図柄を紹介しつつ、Wikipediaの「小アルカナ」と日本語解説書の「続・はじめての人のためのらくらくタロット入門」を参考に、私なりの解釈を加えて解説していきます。
もしタロットカードの種類について、まだご存知ない方は、こちらの「【重要】タロットカード初心者に知って欲しい<種類、構成、歴史>」をご覧になって下さい。
小アルカナとは
まずは基本的なWikipediaに書かれている、「小アルカナ」の意味について見ていきましょう。
小アルカナ(しょうアルカナ、minor arcana)とは、タロットの一組78枚のうち、56枚を構成する組を言う。
Wikipedia引用:小アルカナ
タロットカードは、一般的に78枚で構成されたカードセットですが、その内の56枚が「小アルカナ」と言われるカードとなります。
ちなみに「アルカナ」とは、ラテン語の一般名詞「arcanum」の複数形「arcana」であり、「秘密 神秘」などの意味を持っています。
小アルカナカードの構成については、これから詳しく説明していきますが、タロットカードが出来るまでの歴史は、こちらの「タロットカード初心者に知って欲しい<種類、構成、歴史>」を参考にしてください。
小アルカナを使った占いのポイント
タロットカードの初心者であれば、最初は大アルカナだけで占うことも多いと思います。
でも誰もが、何度か占いをするうちに、小アルカナカードを使ってみたくなります。私も同じでした。
でもこの小アルカナカードが加わると、いっぺんにカードの枚数も増えて、占い結果の解釈が難しくなります。
この記事では、そんな小アルカナカードを使った占いで、初心者にも役立つように、シンプルにカードの要点をまとめて、その意味を解説していきたいと思います。
小アルカナの4つのスート
まずは小アルカナのカード構成を確認しておきましょう。
タロットの小アルカナカードは、各14枚ずつの4つのスート(suit)に大別されます。スートとはトランプなどでもおなじみの、組み分けともいえる分類です。
- 棒(wands)、杖(batons、rods)
- 硬貨もしくは金貨(coins)、円盤(disks)、護符(pentacles)
- 剣(swords)
- 聖杯(cups)
※画像参照:RWSタロットカード、左からワンドのエース、ペンタクルのエース、ソードのエース、カップのエース
タロットカードの種類で違う4つのスート
なお、「棒」は「杖」とされるカードもあり、「硬貨」は「金貨」や「円盤」、「金貨」と表現されることもあります。
今回紹介するウェイト版では「硬貨(coins)」は、「護符(pentacles)」に改められていますが、意味としては同じものと理解して良いでしょう。
どちらかといえば、護符(ペンタクル)よりも、マルセイユ版などの金貨(コイン)の方が一般的です。なので、今回はあえて金貨(ペンタクル)として紹介します。
小アルカナの4つのスートは、トランプの4つの組み分けに当てはまります。棒=クラブ、金貨=ダイヤ、剣=スペード、聖杯=ハート、と考えるのが一般的です。
ただ、このトランプとの関係性はあくまで推測であり、確定的なものではないようですし、タロット占いには何ら関係してきません。
※画像参照:RWSタロットカード、左からソードのエース、トランプのスペードのエース
小アルカナの数札と人物札
さらに各スートは、10枚の数札(pip cards)と、4枚の人物札(court cards)に分けられます。
トランプと違うのは、人物札の中に「小姓(page)」とされるカードが含まれていることです。
- 小姓(page)
- 騎士(knight)
- 女王(queen)
- 王(king)
※画像参照:RWSタロットカード、左からワンドのペイジ、ワンドのナイト、ワンドのクイーン、ワンドのキング
なお、今回紹介するRWSタロットカードなど、ウェイト版のタロットカードについては、こちらの「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」にも詳しく説明されています。先に目を通しておくと、より小アルカナの意味を楽しめるでしょう。
■今回利用したウェイト版のカードと解説書です。
タロットカードマスターセット
棒(ワンド)の小アルカナの意味と解釈
棒(ワンド)のエース
■正位置:創造力、出発点
■逆位置:破壊や破滅、終着点
こん棒のような木の枝を、力強く握り締めているのが、ワンドのエースのカードです。その姿は、まるで原始時代の人類の創造性や、行動力を表すかのようです。
ワンドのエースのカードは、そんな原点ともいえる、誕生や出発を意味し、逆位置ではその終わりや、破滅を表します。
棒(ワンド)の2
■正位置:財産、成功
■逆位置:突発的な問題、失望
領主とも思える地位まで登りつめた男性が、周囲を見渡しながら思いに浸っています。今の地位までの成功を、振り返っているかのようです。
ワンドの2のカードは、犠牲を踏み台にした成功を表し、逆位置では失望や、安定を揺るがす突発的な問題の発生を意味します。
棒(ワンド)の3
■正位置:未来への期待感
■逆位置:失望や諦め
男性が地面に固定された3本の棒に手を伸ばしながら、運河を行きかう船を眺めています。
ワンドの3のカードは、事業の成功を夢見ている姿、希望的な未来観測を表します。このカードが逆位置になると、失望や停滞した状態を意味するのです。
棒(ワンド)の4
■正位置:平和な休息時間
■逆位置:上記と同じ
明るい風景に4本の棒が立ち、その上には花輪が飾られています。奥の2人の女性は花を手に、私たちを出迎えているかのようです。
ワンドの4のカードは、心が休まる休息の時間の訪れを表し、調和や喜びを意味します。なお、このカードは逆位置の解釈も正位置と同じです。
棒(ワンド)の5
■正位置:葛藤、紛争
■逆位置:混迷、回避
スポーツのような模擬戦に、5人の男性が参加して、争っているかのようです。まるでルールが無いかのように、棒が入り乱れています。
ワンドの5のカードは、闘争や紛争を表し、その状態が現在も進行していることを意味します。このカードが逆位置にでると、さらに状況が混迷し、手が付けられない状況にまで悪化します。
棒(ワンド)の6
■正位置:成功、勝利、良い解決
■逆位置:敗北、劣等感
白馬に乗った男性が、頭には勝利の象徴である冠、棒の先にも栄光を称える花輪が取り付けられています。
ワンド6のカードは、勝利の凱旋や、良い決着がもたらされることを意味し、逆位置にでると、喪失感や劣等感など、自信を失う敗北を表します。
棒(ワンド)の7
■正位置:対処、抵抗、有利な争い
■逆位置:疲れ、諦め、戦意喪失
男性が高台で、自分に降りかかる棒を、防いでいます。このカードは有利な立場での争いや、立場を守ろうと努力している姿です。
ワンドの7のカードは、忍耐や対処を表し、降りかかる攻撃や非難に、一人で耐えていることを意味します。逆位置では、力を失い諦めた様子となるのです。
棒(ワンド)の8
■正位置:迅速な変化、行動
■逆位置:スロー、停滞、遅延
風を割くかのように、8本の棒が空に飛び交っています。その一瞬をとらえた図柄から、迅速に物事が動いていくことを意味します。
ワンドの8のカードは、瞬く間に起きる状況の変化を表しますが、どのような結果になるかは、未知数です。逆位置では、停滞や遅延を意味して、棒が去るかのように捉えます。
棒(ワンド)の9
■正位置:慎重、守備的
■逆位置:恐れによる停滞、臆病
怪我をおった一人の男性が、棒を立てて守りを固めています。彼の怪我から、一度は敗北し守りに徹している様子が読み取れます。
ワンドの9のカードは、消極的な守りの姿勢による遅れや、停滞を意味しており、慎重になりすぎている心の状態を表します。逆位置では恐れが強まり、臆病になっていることが読み取れるのです。
棒(ワンド)の10
■正位置:負担、課題、重圧
■逆位置:投げ出す、逃避
男性が10本もの棒を抱え、前も見えない状態で運んでいます。このカードは許容以上の重圧や負担で、無理をしている様子を表しています。
ワンドの10のカードは、限界を超えた過度な要求や責任に、耐えていることを意味するのです。逆位置では、棒を投げ出して、現実から逃避している姿と読み取ります。
棒(ワンド)のペイジ
■正位置:冒険心、活力、良い知らせ
■逆位置:優柔不断、浮足立つ、悪い知らせ
若い男性が砂漠でピラミッドを背に、棒を携えて、上を向いています。まるで冒険を楽しむかのような、楽観的な表情です。
ワンドのペイジには、メッセンジャーという意味もあり、良い知らせが届くことや冒険心に満ちた姿を表します。逆位置では、それが浮足立ち、悪い意味として影響します。
棒(ワンド)のナイト
■正位置:未知への挑戦、勇敢、出発
■逆位置:分断、中断、未知への動揺
騎士が手に棒を携えて、今にも走り出すかのような姿が描かれています。新たな出発や挑戦への勇猛さを表すかのようです。
ワンドのナイトは、その姿からも、新しい事や未知なるものへの挑戦と読み取れます。逆位置では、身の程を知らずに無謀な行動に出て、出足を挫かれ失敗することを意味します。
棒(ワンド)のクイーン
■正位置:活発、情熱的、自信
■逆位置:嫉妬、強欲、独善的
舞台女優の「エレン・テリー」を描いたとされる、ワンドの女王は、自信に満ちた活発な女性を表します。
ワンドのクイーンは、自信を持って情熱的に取り組む姿勢を意味するのです。逆位置では、悪い側面が出て、我儘な気持ちや嫉妬に振り回されると解釈します。
エレン・テリーは、ウェイト版タロットカードの画家、パメラ・コールマン・スミスの友人です。詳しくはこちらの「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」をご覧ください。
棒(ワンド)のキング
■正位置:決断、情熱的、安定感
■逆位置:独善的、威圧的
棒を片手に持った王が未来を見据えています。彼の玉座の上部には終わりがなく、際限のない可能性を表しています。
ワンドのキングは、行動的な決断力や安定的な施政を表しており、逆位置になると、周囲に理解されない横柄な態度や、威圧的な姿勢を意味するのです。
※カードの画像と解説はこちらの資料を参考にしています。タロットカード画像引用、参考文献:タロットカードマスターセット
金貨(ペンタクル)の小アルカナの意味と解釈
金貨(ペンタクル)のエース
■正位置:資金、財政の改善、大切な物を入手
■逆位置:経済的な損失、大切な物を失う
雲から出た手が、大切そうに金貨を手にしています。それはまるで望んでいた宝物を手に入れたかのようです。
ペンタクルのエースのカードは、財政状態の改善や、価値ある物を手に入れるなど、良い知らせとなります。逆位置では、それらを失うことを意味するのです。
金貨(ペンタクル)の2
■正位置:気晴らし、バランスを取る
■逆位置:不摂生、不均衡、現実逃避
二つの金貨を手にして、それで遊びを楽しんでいます。背景の荒れた海から、厳しい現実とのバランスを取ろうとしているのでしょう。
ペンタクルの2のカードは、苦労を和らげ、バランスを取るための、遊びや楽しみを意味します。逆位置では、遊びなどへの現実逃避が懸念されるのです。
金貨(ペンタクル)の3
■正位置:学習、スキルの習得
■逆位置:能力不足、平凡
一人の彫刻家が、自らの技術を磨き、僧院の建設に携わっています。その面持ちは真剣で、飽くなき向上心に満ちているかのようです。
ペンタクルの3のカードは、具体的な技術を磨き、能力の向上に勤める様子を表しています。逆位置では、その真面目さが消えて、怠惰で平凡な能力を意味するのです。
金貨(ペンタクル)の4
■正位置:金銭的な執着、貯蓄
■逆位置:浪費、お金への強欲
このカードは、お金を愛する人を描いており、4枚の金貨が自分の所有物だと、強く主張しているようです。
ペンタクルの4のカードは、お金を留めるという意味で「貯蓄」を表します。逆位置ではお金が失われていく浪費や、お金への強欲な姿勢として読み取れるのです。
金貨(ペンタクル)の5
■正位置:貧困、とても厳しい現実
■逆位置:困窮、経済的な混乱
教会へと助けを求めようとする人々が、貧しさや寒さに耐えるかのように、歩いていきます。
ペンタクルの5のカードは、「貧乏のカード」と呼ばれ、貧困状態を意味するカードです。逆位置では、コントロールできない経済的な混乱の訪れを、予期しているといえます。
金貨(ペンタクル)の6
■正位置:平等に分配する、慈善活動
■逆位置:自分本位の態度、ケチ、欲望
商人と思われる男性が、天秤を手に貧しい人たちに施しを行っています。
ペンタクルの6のカードは、平等に分配する姿勢や慈善活動を意味します。逆位置では、それが自分本位の行為となり、ケチな心持や、勿体ないと思う姿となるのです。
金貨(ペンタクル)の7
■正位置:物事を育てる、見守る
■逆位置:過保護、諦め、放棄する
農夫が桑を手に、作物が育っていくのを見守っています。その姿は収穫を待っているかのようです。
ペンタクルの7のカードは、事業が育つことを見守り、結果を待てる姿勢を意味します。逆位置では、手を加えすぎたり放棄してしまう、悪い結果が暗示されます。
金貨(ペンタクル)の8
■正位置:勤勉、職人、技術向上
■逆位置:虚栄心、手を抜く
一人の職人が黙々と同じ物を作り上げていきます。彼は誠実に仕事をこなして、自らの技術を磨いているかのようです。
ペンタクルの8のカードは、誠実に仕事をする。ノルマをこなす、技術の向上を意味します。逆位置では、不誠実さが出てきて、手を抜いたり、虚栄心が前面に出てくるのです。
金貨(ペンタクル)の9
■正位置:経済的な援助、経済的な安定
■逆位置:不貞、不誠実、依存
美しい女性が、実り豊かな庭園で、片手に鳥を載せて楽しんでいます。その姿は実力者の寵愛を受けて、満たされているかのようです。
ペンタクルの9のカードは、人からの援助による財政的な安定や豊かさを表します。逆位置では、他者への経済的な依存や、お金目的の不貞な態度として読み取れます。
金貨(ペンタクル)の10
■正位置:良好な家族関係、アットホーム
■逆位置:家庭内の問題、家族からの束縛
大きな屋敷の入り口で3世代の家族が、楽し気に寛いだ時間を過ごしています。家族の幸せの象徴ともいえるカードです。
ペンタクルの10のカードは、故郷や家庭での安心を意味しています。逆位置では、家族の繋がりが強過ぎて、それが束縛となったり足枷となるなど、悪い側面が出てきます。
金貨(ペンタクル)のペイジ
■正位置:初心、学ぶ姿勢、学生
■逆位置:お金に目がくらむ、怠け者
若い少年が、一枚の金貨を手に、希望や夢を見ているかのような姿です。彼は自分の将来のために、新しく仕事をして学ぶ、希望に満ちた目をしています。
ペンタクルのペイジには、新しい仕事や初心という意味があります。逆位置では、結果に目がくらみ怠けたり、目の前の利益に翻弄される姿を表すのです。
金貨(ペンタクル)のナイト
■正位置:報酬、結果、着実な前進
■逆位置:頑固、深刻、マンネリ
黒く重圧感のある騎馬にのった騎士が、ペンタクルを手にして、その成果を実感しているかのようです。
ペンタクルのナイトは、誠実に働いた報酬や結果を手にして、経済的な安定を得る意味があります。逆位置では頑固さが強くなり、報酬にも疑問をもつのです。
金貨(ペンタクル)のクイーン
■正位置:成熟した生活、経済的な安定
■逆位置:退屈な生活、富への失望
美しいローズガーデンで、重厚で美しい台座に腰かけた王女が、手にしたペンタクルを眺めながら、寂しげに過しているように見えます。
ペンタクルのクイーンは、経済的な豊かさや成熟した生活を表します。逆位置では、心の不足感を感じるなど、お金の虚しさを感じることを意味するのです。
ワンド、ペンタクル、ソード、カップに限らず、小アルカナのクィーンのカードが占いで示されると、その問いに女性が関わることを意味します。そのことを覚えて置きましょう。
金貨(ペンタクル)のキング
■正位置:経済的な成功、安定、合理主義
■逆位置:打算的、富への執着、汚職
豪華な衣装を着た王が、玉座に腰を掛けています。その席は民に背を向けて、どこか寂しさや冷たさを感じさせます。
ペンタクルのキングは、合理主義による経済的な成功と安定を示します。逆位置では、それが冷たさとなり、打算的であることや、お金への執着が強調されるのです。
※カードの画像と解説はこちらの資料を参考にしています。タロットカード画像引用、参考文献:タロットカードマスターセット
剣(ソード)の小アルカナの意味と解釈
剣(ソード)のエース
■正位置:容赦のない決断、勝利
■逆位置:無慈悲な行動、暴力的
鋭い剣が握られて、まるで風を断ち切っているかのようです。剣先には勝利の象徴である王冠と月桂樹が掛けられています。
ソードのエースのカードは、容赦のない決断、正義に基づいた制裁など、強い意志を示します。逆位置では、それが残忍なまでになり、周りを傷つけるのです。
剣(ソード)の2
■正位置:選択肢、バランスが取れた関係、調和
■逆位置:関係の切断、均衡が崩れる
2本の鋭い剣を手にした女性が、目隠しをしてバランスを保っています。2物の均衡を表すこのカードは、どこか危うさを秘めているかのようです。
ソードの2のカードは、均衡がとれた状態を表し、その中心でバランスを取っている状態です。逆位置では、均衡が崩れお互いの関係が、絶ち切られることを意味します。
剣(ソード)の3
■正位置:トラウマ、衝撃、深い悲しみ
■逆位置:困惑、自己疑念
厚い雲から出た雷のように、3本の剣がハートを貫いています。ハートは自らの心の象徴ですから、深く傷つくことが明らかです。
ソードの3のカードは、衝撃的な出来事など、ショックを受けるトラウマや悲しみを表します。逆位置では、自分で自分を傷つける行為や、自己疑念に陥ることを意味します。
ウェイト版のソードの3のカードは、1491年に北イタリアで作られた、ソラ・ブスカ・タロットデッキの小アルカナカードが、その原型だと言われています。詳しくは「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」をご覧ください。
剣(ソード)の4
■正位置:降伏、休息、停止、平和主義
■逆位置:再開、復帰
ステンドグラスが飾られた教会で、一人の男性が祈るように横たわっています。その剣が整えられていることから、戦う意思を失い、停止しているかのようです。
ソードの4のカードは、降伏や停止を意味します。逆位置では停止後の再開となります。
剣(ソード)の5
■正位置:裏切りによる勝利、残念な勝利
■逆位置:屈辱的な敗北、空虚感
嵐の中で、勝ち誇った男性が、戦利品の剣を集めています。裏切りや残忍な方法で、勝利したことがその表情からも伺えます。
ソードの5のカードは、勝つことに手段を選ばない、残忍な姿勢を意味します。逆位置では、その被害者となり、虚しさや自信を喪失することとなるのです。
剣(ソード)の6
■正位置:危険からの脱出、現状の移行
■逆位置:糸口がない争い、継続する現状
剣が収められたボートを漕いで、家族と共に船出する状況が描かれています。これまでの、危険な状況から抜け出し、安息の地を目指すのです。
ソードの6のカードは、大変な現状に良い変化が起きることを意味します。逆位置では、その状態が停滞して、変わらない状況を表すのです。
剣(ソード)の7
■正位置:泥棒、狡猾な行動、秘密
■逆位置:役立つアドバイス、誠実な対応
何本もの剣を携えて、周りを伺うかのように持ち出しています。その狡猾な様子から、泥棒や不誠実な態度で人を騙そうとしていることが解ります。
ソードの7のカードは、周りを欺こうという心持を意味します。逆位置では、その意味が反転して誠実な態度となります。
剣(ソード)の8
■正位置:囚われの身、身動きが取れない
■逆位置:解放、自由
縛られて目隠しされた女性が、何本もの剣に囲まれて、身動きが取れなくなっています。
ソードの8のカードは、自由を奪われて捉えられている現状を表し、逆位置では、そんな束縛から解放されて、新たな展開がスタートすることを意味します。
剣(ソード)の9
■正位置:悲観、精神的な苦痛、ネガティブ
■逆位置:不安からの回復、好転の兆し
黒塗りの壁に掛けられた9本の剣の前で、ベットから起き上がり、悩み苦しんでいる人の姿が描かれています。
ソードの9のカードは、精神的な苦痛や、悲観的になり、思い詰めている状態を意味するカードです。逆位置では、そんな精神状況からの転換点を表します。
剣(ソード)の10
■正位置:終了、終止符、望まない結果
■逆位置:好転、新たな希望
身体にいくつもの剣が突き立てられ、亡くなっている人の向こうに、新しい朝日が昇ろうとしています。
ソードの10のカードは、苦悩の終わりを意味し、望まない結果を象徴するカードです。逆位置では、新たな状況への変化の兆しが見えてきます。
剣(ソード)のペイジ
■正位置:警戒心、観察、緊張に耐える
■逆位置:スパイ行為、不信感
剣を構えて、鋭い眼差しで周囲を観察する青年の姿は、まるで何かを警戒しているかのようです。
ソードのペイジは、才能がありながらも人が信頼できず、警戒している様子を表します。逆位置では、裏切りやスパイ行為など、負の意味合いがさらに高まります。
剣(ソード)のナイト
■正位置:突進、勇気、盲目
■逆位置:狂気、先走り、焦り
剣を高々と掲げた騎士が、風を切るかのように突進しています。しかし、その目は自分を見失っているかのようです。
ソードのナイトは、勇気を持って積極的に突進するという意味があります。しかしながら、逆位置では盲目的な行動や、恐怖からの行動など、我を忘れた行為となるのです。
剣(ソード)のクイーン
■正位置:クール、解決力、知性
■逆位置:孤立、残酷、批判的
剣を立てて、構えながらも、左手で優しく人を迎える姿の女王が、水色の衣をまとって座っています。
ソードのクイーンは、クールで冷徹な判断や問題解決を意味しており、逆位置で出れば、その刃が周囲を傷つける、残酷さとなって強調されます。
剣(ソード)のキング
■正位置:知的で冷静な指導力、深い洞察
■逆位置:冷酷、独裁、無感情
水色の衣をまとった王が、剣を片手に玉座に座っています。王にしてはシンプルないで立ちが、飾らない冷静さを物語ります。
ソードのキングは、冷静で思慮深い指導力や判断を表します。逆位置では、その意味が強調され、冷酷で無慈悲な存在として、周囲から恐れられることとなるのです。
※カードの画像と解説はこちらの資料を参考にしています。タロットカード画像引用、参考文献:タロットカードマスターセット
聖杯(カップ)の小アルカナの意味と解釈
聖杯(カップ)のエース
■正位置:愛情、祝福、出産
■逆位置:心に傷を負う、愛情を失う
手にした聖杯から、湧き出るかのように清らかな水が溢れだしています。白い鳩は平和の象徴です。
カップのエースのカードは、祝福されるような良い知らせの到来を告げます。逆位置では、聖杯が空になり、傷つきやすい心の状態や、愛情不足を意味するのです。
聖杯(カップ)の2
■正位置:ロマンス、甘い恋愛、パートナー
■逆位置:失恋、離縁、分裂
二人の男女が聖杯を手に寄り添っているかのようです。カップは愛に関するカードなので、二人の間に、ロマンスが芽生えたことを表します。
カップの2のカードは、心躍る恋愛など、良好な人間関係を意味します。逆位置では、離縁や人間関係の不調和など、愛を失うことを予感させるのです。
聖杯(カップ)の3
■正位置:同じ志の集い、楽しい時間
■逆位置:隔離、疎外感、不摂生
三人の女性が集まり、聖杯を手にして祝宴をあげているようです。このカードは友との楽しい集いや、時間を表します。
カップの3のカードは、喜び楽しむコミュニティーや集まりを意味します。逆位置では、そんなグループからの排除、もしくは快楽に溺れることになるのです。
聖杯(カップ)の4
■正位置:倦怠感、停滞、退屈
■逆位置:リセット、新たな展開
一人の男性が、3つのカップを眺めながら、熟考している姿が描かれています。彼は現状に飽きて、不満を感じているようです。
カップの4のカードは、停滞や倦怠感など、現状への不満を表します。逆位置では、そんな停滞した展開が変わり、新しい状況へと打破できることを意味するのです。
聖杯(カップ)の5
■正位置:部分的な損失、損失を嘆く、事故
■逆位置:喪失感からの回復、怪我の光明
黒いマントを着けた男性が、こぼれた3つの聖杯を見て、喪失感に打ちひしがれています。彼は後ろにある2つの杯を、忘れているかのようです。
カップの5のカードは、部分的な喪失や、喪失感にとらわれている現状を意味します。逆位置では、そんな呪縛から解放されて、気持ちが回復する兆しとなります。
聖杯(カップ)の6
■正位置:過去を振り返る、思い出、友との再会
■逆位置:過去に縛られる、ナイーブ
花が植えられた6つの杯に囲まれた場所で、子供がその一つを手渡しています。このカードは過去の思い出に浸る、そんな意味があります。
カップの6のカードは、過去を再び思い出すかのような体験や、そこに囚われている状態を表します。逆位置では、そんな心情に縛られ、現実を見失いがちだと読み取れます。
聖杯(カップ)の7
■正位置:夢想、空想、想像に捕らわれる
■逆位置:現実的な活動、イメージの現実化
7つのカップに、理想的な品々が入れられて、雲の上で漂っています。それはまるで、夢や空想を思い描くかのようです。
カップの7のカードは、人が空想に耽る様子を表しており、地に足が着いていない状態を意味します。逆位置では、一転して理想が現実化する意欲を表します。
聖杯(カップ)の8
■正位置:過去との決別、現状への失望
■逆位置:継続する、諦めない
積み上げられた8つの聖杯は、今までに彼が大切にしてきた実績や経験、地位を表します。そこに背を向けて、新たな場所へと向かう姿です。
カップの8のカードは、執着を捨てて、大切にしていた過去と決別することを意味します。逆位置では、諦めない気持ちで継続することを表します。
聖杯(カップ)の9
■正位置:願望成就、満足感、達成感
■逆位置:非現実的な夢、贅沢な不満
9つの聖杯を背に、男性が誇らしげに座っています。その聖杯は、彼が望んでいた物の全てを、表しているのです。
カップの9のカードは、望む願いが叶い、喜びで満たされた気持ちを意味します。逆位置では、暴飲暴食や、どこまでも満たされない不足感を象徴するのです。
聖杯(カップ)の10
■正位置:幸せな結婚、心の満足、平和と愛
■逆位置:家族の不調和、家庭の悩み
10個すべての聖杯が天に上がり、虹色に輝いています。夫婦や子供たちが喜ぶ姿は、家庭が円満で幸せな様子を表します。
カップの10のカードは、家族が幸せであることで、心の満足や平和、安心、充実が得られることを意味します。逆位置では、家庭内での不調和や亀裂を示唆するのです。
聖杯(カップ)のペイジ
■正位置:純真無垢、幼い、直感的
■逆位置:世間知らず、娯楽に溺れる
魚が顔をのぞかせる聖杯を手に、若く幼い表情の青年が、何かを読み取っています。まるで魚と会話してるかのようです。
カップのペイジは、幼さを残す純真無垢な心持を表します。逆位置では、世間知らずで、娯楽や遊びに夢中になっていることを意味するのです。
聖杯(カップ)のナイト
■正位置:求婚者、積極的な愛情、誠実な愛情
■逆位置:甘い誘惑、偽りの愛情
儀礼用の美しい甲冑を着て、カップを手にした騎士が、求婚するかのように前進しています。
カップのナイトは、誠実な恋愛や求婚を表し、女性が引けば理想の相手の到来を意味します。逆位置では、不誠実な見せかけの愛情を表すのです。
聖杯(カップ)のクイーン
■正位置:女性からの愛情、母性愛、援助
■逆位置:我儘な愛情、嫉妬、偽りの恋人
蓋のついた聖杯を手に、ロマンチストな女性が物思いに浸っています。優しさを感じるその姿は、母性愛を秘めているかのようです。
カップのクイーンは、女性からの助力や母性愛を意味します。逆位置では、感情に振り回される、我儘な女性や偽りの愛を表すのです。
聖杯(カップ)のキング
■正位置:成熟した心、大器、親切、寛容
■逆位置:不貞、スキャンダル、節操がない
落ち着いた面持ちの王が、玉座に掛けて周囲を見渡しています。その面影は優しく、愛に満ちているかのようです。
カップのキングは、成熟した心を表し、器が大きく寛容な心持を意味します。逆位置では、節操がなく不誠実な行いに耽る人を象徴するのです。
※カードの画像と解説はこちらの資料を参考にしています。タロットカード画像引用、参考文献:タロットカードマスターセット
小アルカナカード一覧のまとめ
以上、56枚の小アルカナカードの意味について、詳しく見てきましたが、いかがでしたか?
カードの解釈は個性を大切に
こちらで紹介した意味は、Wikipediaの「小アルカナ」と日本語解説書の「続・はじめての人のためのらくらくタロット入門」を参考に、私なりの解釈を加えて解説してきました。
タロットカードの解釈は、占い師によっても微妙に異なりますし、その時々の占う相手や、スプレッド全体の位置関係によっても変わって来るものです。
ですから、今回の解説はあくまで、参考程度にご覧いただき、自分なりの直感やインスピレーションを活かして、その意味を読み取っていただければと思います。
それによって、より個性あるタロット占いが出来るようにありますから、ぜひ自分の個性を大切にしてください。
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それでは最後にタロットカード関連の記事を紹介します。初心者向けの紹介記事になりますので、気なるものをチェックしてみてください。
特にタロットの歴史を知ることは、正位置や逆位置の解釈が生まれた経緯を知ることもでき、占いへの神秘性を高めてくれるので、さらにタロット占いが楽しくなるでしょう。
初心者のためのタロット占い入門
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■初心者向けのタロット占いのやり方など、タロット占いの基本を解説。
・タロットカード占い初心者のための基本的なやり方【シャッフルなど入門編】
■初めてタロットカードを購入する際の注意点を書き出しました。
・初心者がタロットカードを通販で購入する際のおすすめと3つの注意点
タロットカードの意味や解釈に関するまとめ
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・タロットカードの意味一覧
■22枚の大アルカナの種類と簡単な意味を一覧で紹介。
・大アルカナ22枚の意味と解釈のポイントを一覧で紹介