こんにちは。タロットファン.jp 井上です。
たまに初めてタロットカードを購入される方に「タロットカードって、色々な枚数の物がありますが、本当は何枚なの?」と聞かれます。
ですから今回は、タロットカードの正式な1デッキの枚数について解説したいと思います。
一般的なトランプと比べると、かなりの数がありますし、さらに厄介なのは、1デッキの枚数が異なるタロットカードがあることです。
ですから、ここでは世界中で一般的に利用されている、タロットカードの1デッキの枚数についてお話しします。
タロットカードの発祥の地は、ヨーロッパの北イタリアとなりますが、今回お伝えするカードは、まさにそんな伝統的なタロットカードについてです。
日本や世界中でも、人気のタロットカードデッキですから、こちらを参考にしていただければ、もう何枚かと迷うことは無いでしょう。
タロットカードの枚数について
まずは結論から申し上げましょう。
タロットカードは78枚
世界中で一般的に利用されている、タロットカードの1デッキの枚数は「78枚」となります。
この「1デッキ」とは、一組のタロットカードのセットと捉えていただけえれば、解りやすいでしょう。
トランプですと、ほとんどが「13枚×4種類+ジョーカー1枚」の53枚で構成されていると思います。
同じようにタロットカードは、「14枚×4種類+22枚」の78枚で一組が構成されています。
では78枚のタロットカードの詳細を見ていきましょう。
■マルセイユ版のタロットカードデッキ78枚
22枚の大アルカナ
まず誰もが知っている、タロットカードの絵柄といえば、78枚の中の22枚の大アルカナカードです。
愚者、魔術師、皇帝、戦車、死神、悪魔、太陽、審判、世界などなど、きっと誰もが1度は目にしたことがあるカードだと思います。
ちなみに、大アルカナのカードの枚数は22枚ですが、カードに記されている番号は「0:愚者」からスタートするので、最後が「21:世界」となります。
大アルカナカードの絵柄や種類については、こちらの「タロットカード大アルカナ22枚の意味と解釈のポイントを一覧で紹介」で詳しく解説していますから、そちらをご覧ください。
「タロットカードといえば、ズバリこれ!」と誰もが思うカードばかりです。(笑)
0愚者、1魔術師、2女教皇、3女帝、4皇帝、5教皇、6恋人、7戦車、8力、9隠者、10運命の輪、11正義、12吊るされた男、13死神、14節制、15悪魔、16塔、17星、18月、19太陽、20審配、21世界
■ウェイト版の大アルカナカード22枚
56枚の小アルカナ
きっとこの小アルカナカードの枚数が多いので、「結局、タロットカードって何枚なの?」って、思うのかもしれません。
こちらはトランプ同様に、4つの種類(スート)で構成されており、「ワンド(棒)、ペンタクル(金貨)、ソード(剣)、カップ(聖杯)」があります。
それぞれの枚数は、1~10までの数札と「ペイジ(小姓)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(王)」の4枚の絵札の、計14枚となります。
それが1デッキのタロットカードに、4セットあるので合計56枚となります。
詳しくはこちらの「タロットカード小アルカナの意味一覧<ワンド、ペンタクル、ソ―ド、カップ>」で、詳細が見えるので、気になる方はこちらをご覧ください。
■ワンド:エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
■ペンタクル:エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
■ソード:エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
■カップ:エース、2、3、4、5、6、7、8、9、10、ペイジ、ナイト、クイーン、キング
■マルセイユ版の小アルカナカードカップ(聖杯)
カードの種類と枚数の関係
では、なぜ78枚が正式なタロットカードの枚数なのか、その点を簡単にお話ししていきましょう。
タロットカードの歴史と枚数
まずタロットカードの歴史から見て、正式なタロットカードの枚数が何枚かと問われれば、先ほど紹介した78枚だということで間違いありません。
これは15世紀の北イタリアで作られた、最古のタロットカードとされる「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」から連なる、カード構成だといえます。
タロットカードは、その後にフランスのマルセイユ地方で、活版印刷の登場により大量生産されますが、それもこの78枚のカードデッキで製造されていました。
後のマルセイユ版といわれる、ビビットカラーの版画のようなデザインのカードです。
詳しくはこちらの「タロットカード初心者に知って欲しい<種類、構成、歴史>」で、タロットカードの歴史を知ることが出来ます。
■ロ・スカラベオ社のヴィスコンティ・スフォルツァ版
ウェイト版とマルセイユ版で枚数は違うの?
世界中で使われているタロットカードは、この「マルセイユ版」か「ウェイト版(ライダー版)」となりますが、どちらも枚数は同じ78枚です。
ただウェイト版のタロットカードデッキは、マルセイユ版からキリスト教的な宗教色を除き、スピリチュアルに特化したカードとしたため、微妙に構成や絵柄が異なります。
これは作者の、アーサー・エドワード・ウェイトの意思によるものですが、それをイラストレーターのパメラ・コールマン・スミスが見事な模写で描いたため、とても絶大な人気を得たタロットカードとなりました。
そんな、ウェイト版のタロットカードができる経緯やマルセイユ版との違いは、こちらの「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」でも詳しく紹介しています。
■ウェイト版とマルセイユ版のカードデッキ
トートタロットカードも78枚
メジャーなタロットカードの中には、ウェイト版のタロットカードと同時期に作製された「トートタロットカード」というデッキもあります。
こちらはウェイト版よりも、さらにスピリチュアルに傾倒したタロットカードですが、その枚数はやはり小アルカナ56枚と大アルカナ22枚の78枚で、他のタロットカードと同じです。
作られた経緯など、詳しくはこちらの「トートタロットカード初心者のための解説書<特徴、意味、歴史>」で紹介しています。
ですから、多くの本流から派生したタロットカードは、78枚という枚数は同じで、その中身の構成やカードの絵柄などについて、独自の変更を加えているだけです。
なので、その意味でもタロットカードの正式な枚数は78枚と捉えて良いでしょう。
■AGM社トートタロットカード
78枚ではない特殊なタロットカード
問題は78枚ではないタロットカードも、一部存在するということです。
このあたりが、タロットカードが何枚なのか解らないという人が出てくる、根本的な原因なのかもしれません。
易占い用のイーチンタロットカード
タロットカードと同じサイズの占い用のカードで、イーチンタロットカードというカードがあります。
こちらはヨーロッパでも一般的に販売されている占い用のカードですが、タロット占いのためのカードではなく「易占い」のためのカードです。
そのため、カードの枚数も構成も一般的な78枚のタロットカードとは全く違います。易で使われる「大成卦(だいせいか)」といわれる、印がが印刷された64枚のカードです。
これも従来のタロットカードとは全くの別物で、タロット占いには利用できませんので注意しましょう。
詳しくはこちらの「初めてのイーチンタロット占い!カードの意味や種類と占い方を徹底解説」でも紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
■AGM社のイーチンタロットカード
枚数が違う特殊なタロットカード
実は「タロットカードとは78枚で、このカード構成でなくてはならない。」という決まりはありません。
そのため意外と多いのは、本流のタロットカードとは全く別に、オリジナルで占いカードを作り、タロットカードと呼ぶデッキです。
これはそれらの占いカードは、作者ごとに自由に枚数を決めて作るので、何枚で構成されているかも、そのデッキしだい。
例えば「生命の樹 占術カード」や「サイキック・タロット」など、中を見ると大アルカナはありますが、構成はまちまちで使い方も違います。
ですから、タロットカードを購入するなら、この78枚で構成されていることが、1つの目安となります。
■構成や枚数が特殊なタロットカード
大アルカナの22枚だけのカードデッキ
そして忘れてはいけないこととして、大アルカナの22枚だけのカードデッキも存在します。
これはタロットカードの枚数としては、大アルカナだけなので22枚で問題ありません。ただ、小アルカナの56枚は、最初から一切含まれていないというデッキです。
ですから、大アルカナだけでタロット占いをやりたい方なら、これで十分楽しめるデッキだといえるでしょう。
ですが、それらのカードのほとんどは、小アルカナの販売をしていないカードデッキなので、あとで小アルカナだけ買い足すことはできませんから、その点は注意が必要です。
■22枚の大アルカナのみのグランデサイズ、アールヌーボー・タロットカード
タロットカードを購入するときのポイント
ここまで、タロットカードの枚数について、正式なタロットカードが78枚で構成されていることを、詳しくお伝えしてきました。
これでもうタロットカードが何枚なのかと迷うことはないでしょう。
では最後に、タロットカードを購入する際の注意点を、簡単にお伝えして終わりにしましょう。
ズバリ!気に入ったカードが1番
ちょっとスピリチュアルな言い方をするなら、タロットカードとは出会うものです。
ですから、あなた一目惚れしたタロットカードが、何よりもお勧めのタロットカードであり、長く大切にできるカードだといえるでしょう。
もちろんその上で、カードの枚数を確認して、それが一般的なタロットカードなのかはチェックする必要があります。
ですが、それさえ押さえておけば、ほとんどのカードは同じ構成になっていますから、自分の直感を信じて選ぶことをお勧めします。
初心者でも失敗しないカードの選び方
ただ初心者でどうして迷ってしまうという方は、こちらの「失敗しないタロットカードの種類と選び方!マルセイユ版の絵柄も紹介」をご覧になってください。
初めてタロットカードを手にしようという方のために、カード選びのポイントなどを詳しく解説しています。
最近は特に、中国製の安価なカードも多数で回っていますので、「とりあえず安ければいいや」と言う気持ちて購入してしまうと、タロット占い自体が、とりあえずになってしまいかねません。
タロットカードは使うほど愛着も湧き、大切にしたくなるものです。ですから、最初のカードとの出会いを特に大切にしてください。
なお初心者の方は、こちらの「タロットカードマスターセット」を参考にすれば、占いをする上で何が必要なのかも解ると思います。